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11年連続NPB選手輩出の真相 「独立リーグの虎の穴」徳島インディゴソックスには今年も12人のドラフト候補がいる (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro

 岡本監督の口から名前が挙がった篠崎は、修徳高時代にNPB7球団から調査書が届いたほどの好素材だった。昨秋のドラフト会議ではあえなく指名漏れに終わったものの、身長191センチの大型右腕のもとには強豪大学や企業チームからのオファーも届いた。それでも、篠崎が選んだのは独立リーグの徳島インディゴソックスだった。

 当時、篠崎は徳島を選んだ理由をこう語っていた。

「生活の安定をとるか、勝負の道をとるかを考えて、勝負しようと思いました。父からも『勝負の世界は甘くない。厳しいところに行って勝負をかけないと、(NPBは)行ける場所じゃない』と背中を押してもらえました。徳島はフィジカル強化に定評があるチームで、自分に足りないものに取り組めると思いました」

 篠崎の言う「フィジカル強化に定評があるチーム」。そこに徳島インディゴソックスの大きな強みがある。選手たちは提携しているトレーニングジム・インディゴコンディショニングハウスでトレーニングに励み、別人のようにパワーアップしていく。昨年の入団時に140キロ台前半の球速しか出なかった椎葉は、1年足らずで最速159キロまで球速アップを遂げている。

【深夜のトレーニング】

 今季で2年目を迎える内野手の柏木は、戦慄の証言をしてくれた。

「ビジターでナイターの試合が終わったあとも、徳島に帰ってからインディゴハウスを開けてもらって、深夜2〜3時までトレーニングをしています」

 柏木は関西独立リーグ・兵庫ブレイバーズ時代から野球センスの高さを評価されながら、フィジカル面の弱さを課題にしていた。だが、徳島でトレーニングに励んだ結果、69キロだった体重が現在は77キロまで増えている。体重が増加したといっても動きのキレが損なわれることはなく、プレーの力強さは以前とは比べ物にならない。柏木は決然とこう続けた。

「今が一番いい状態だと思います。今年こそ、なんとしてもNPBに行きたいんで」

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