常総学院・島田直也監督の手応え「僕がいた甲子園準優勝時のチームに似ている」 名将木内幸男から受け継ぐ「準備と状況判断」 (4ページ目)
【やるべきことをやれば甲子園で勝てる】
まもなく、監督として4度目の夏を迎えます。今春のセンバツでは、準優勝した報徳学園(兵庫)に2回戦で敗れました。
ただ、1−6という数字ほどチーム力に差はないと思っていて、この時、報徳はやるべきことをしっかりやれていたけれど、うちはそれを本番でできなかった。その差だけだと思うので、当たり前のことを当たり前にやれば全国でも勝てるチームだと思っています。
この夏のチームは、どこか僕がいた準優勝時のチームに似ている気がしているんです。期待に応えてくれたら本当にうれしいですね。
常総学院は、常に勝つことを求められているチーム。僕はそれに応えることが責務ですが、常総の選手たちのほとんどがこの先も野球を続けます。
技術も大切ですが、行く先で「常総の子はちゃんとできてるな」と感じてもらえるような選手に育てたい。「ちゃんと」というのは、下手くそでも気が利くとか、周りがよく見えているとか。
今や18歳で成人とみなされます。状況を理解し、責任ある行動が取れる選手であってほしいと願っています。そのためにも、自分のこれまでの経験を活かしながらしっかりと指導していきたいと思います。
終わり
前編<常総学院「木内マジック」の裏側...1987年夏の甲子園準優勝投手・島田直也を勇気づけた木内幸男の言葉>を読む
中編<名将・木内幸男の「唯一の失敗」とは...1987年夏の甲子園決勝・PL学園戦を常総学院のエース島田直也が振り返る>を読む
【プロフィール】
島田直也 しまだ・なおや
1970年、千葉県生まれ。常総学院高3年春にエースとして同校の甲子園初出場に貢献。夏の甲子園では準優勝と大躍進した。日本ハムファイターズを経て、横浜ベイスターズ(移籍時は横浜大洋ホエールズ。現横浜DeNAベイスターズ)で開花。1995年には中継ぎとして自身初の2桁勝利を記録し、1997年には最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得。1998年にはチーム38年ぶりの日本一にも貢献した。引退後は日本ハムの打撃投手、四国アイランドリーグPlusの徳島インディゴソックス監督、横浜DeNAの二軍投手コーチなどを歴任。2020年から母校・常総学院のコーチに就任し、同年7月より監督。2021年と2024年のセンバツに出場し、ともに初戦突破を果たす。
著者プロフィール
藤井利香 (ふじい・りか)
フリーライター。東京都出身。ラグビー専門誌の編集部を経て、独立。高校野球、プロ野球、バレーボールなどスポーツ関連の取材をする一方で、芸能人から一般人までさまざまな分野で生きる人々を多数取材。著書に指導者にスポットを当てた『監督と甲子園』シリーズ、『幻のバイブル』『小山台野球班の記録』(いずれも日刊スポーツ出版社)など。帝京高野球部名誉監督の前田三夫氏の著書『鬼軍曹の歩いた道』(ごま書房新書)では、編集・構成を担当している。
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