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プロ野球は「右投左打の外野手」飽和状態 それでも富士大・麦谷祐介は身体能力と勝負強さで猛アピール (4ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro

── あのふたりは、やはり違いますか?

麦谷 映像を見ていても、違うなと感じます。そこまで意識はしないですけどね。彼らが上にいすぎて、僕は比べるような選手ではないので。

【日本一にならないといけない】

── 今年はドラフトイヤーでもありますが、自分自身をどのように評価していますか?

麦谷 えぇ、本当に(プロに)行けるんかな? というくらいで(笑)。この3年間で「この人でプロに行けないのか」という現実を見てきていますし、まだまだ力が足りないと感じます。行くからには、ドラフト上位で行きたいです。

── 走塁と守備には自信があるのでは?

麦谷 ある程度はあります。でも、一度レベルの高い選手と一緒にやってみて、確かめたいんですよね。まだ大学日本代表候補合宿に呼ばれたことがないので。

── まずは6月の大学日本代表候補合宿に招集されるところからですね。

麦谷 地方大学リーグにいると、よほど飛び抜けた結果を残さない限り注目されないとわかってきました。でも、自分たちも1年生の頃から練習施設が閉まるギリギリまで練習してきたので。休みの日でも坂本(達也/捕手)と必ず練習場に来て、一緒に練習しています。プロで活躍している同世代の選手を見て、自分もプロに行けたら野球がどれくらい楽しくなるか知りたいと思うんです。厳しい世界とはわかっていますが、今はそれが練習を頑張るモチベーションになっています。

── 今年の富士大は大学日本一を狙える戦力も揃っていますね。

麦谷 個々の能力が高いだけでなく、自分で考えて取り組める本当にいい代なんです。これまで全国大会で涙を流す先輩を見てきて、先輩の分まで日本一にならないといけないという思いも強いです。

── 最後にプロにかける思いをお聞かせください。

麦谷 プロ野球という世界に入ることは小さい頃からの夢でした。今年に入って、「プロに入りたい」という思いがより強くなりました。遊ぶ気にもならないので、今年は野球に執着してやっていきます。

── 野球以外で好きなことはあるのですか?

麦谷 海釣りが好きですね。あとはNetflix (ネットフリックス)で映画を見たり。でも、ドラフトまであと7カ月しかないですし、人生で考えたら短いので。強烈に野球に執着していきたいです。

著者プロフィール

  • 菊地高弘

    菊地高弘 (きくち・たかひろ)

    1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。

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