つかみどころのないキャラクターと最速151キロの快速球 報徳学園・今朝丸裕喜から目が離せない! (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro

── 最後に見逃し三振を奪ったストレートはすばらしいベストボールに見えましたが、手応えがあったのでは?

「いや、あんまり......。めちゃくちゃよかったというわけではないです。いいところにいったな、という感じで」

── そうですか。今日は自分のなかで会心のボールはありましたか?

「......あんまりないです」

── 初回に石見選手から空振り三振を奪ったストレートはどうですか?

「あぁ、あれは高めで三振取って。自分のなかでは結構、指にかかったボールなので。あそこでの三振は大きかったかなと感じます」

 手応えがあったのか、なかったのか、よくわからない。自分のなかで「よかった」と感じるストレートをどれくらい投げられたと思うかを尋ねると、今朝丸は「8割〜9割くらい」と答えた。

 アプローチを変えることにした。今朝丸の投球フォームは、とくに軸足(右足)一本で立つ姿が安定していて、美しく見える。自身のなかで技術的なこだわりがあるかもしれないと思い尋ねてみると、今朝丸はこう答えた。

「一本足で真っすぐに立つことを意識しています」

 今朝丸の言葉をメモしながら、それはそうだよな......と思わずにはいられなかった。昔から投球フォームは変わらないそうだ。

 打者が「とらえた!」と思ってバットを振った時には、ボールはもうキャッチャーミットに収まっている。今朝丸のピッチングと同様に、本人のキャラクターもとらえどころがなかった。

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 バッテリーを組む徳田拓朗にも話を聞いてみた。すると、徳田は今朝丸が投じた7回のラストボールを「今日一番よかったです」と振り返った。

「序盤は指にかからないボールが多かったんですけど、中盤以降に立て直しました。7回の最後のボールは、ここ一番のところでいいボールがきましたね。今朝丸は今年に入ってボールが強くなって、高めのボールはとくにミットが後ろにもっていかれそうになるくらい強さが出てきたんです」

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