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ドラ1候補・前田悠伍が明かす夏の異変からのV字回復「二段モーションにしたら明らかに変わった」 (2ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro

── 二段モーションのメリットは?

前田 しっかりタメがつくれて、ボールに体重を乗せやすい。自分としては、一段の時よりもいいボールがいくという認識がありました。でも、高校では大会で二段にすると注意されるのでできませんでした。

── 大学生との練習試合、壮行試合、本選と戦っていくなかで、二段モーションにしてあらためてボールの違いを感じたことはありましたか。

前田 真っすぐが変わりました。質が上がって、空振りがとれるようになりました。大会期間中の最速は147キロだったんですけど、140キロ台半ばの球もけっこうあったはずで、球速のアベレージが上がった感じはすごくありました。そこは求めてきたとこなので。

 あとフォームのバランスがよくなって、スライダーの球速も上がり、プラス面のほうが多かったです。大会中もアメリカ戦、韓国戦と徐々に状態も上がってきて、決勝の台湾戦が一番よかったです。3年間のなかでもベストというくらい感触がよくて、とくにストレートで押せたことが自信になりました。

【プロでも二段モーションで】

── 大阪大会で投げている時、二段にしたらもっといいボールがいくはずというのが、安心材料になっていたことはありましたか。

前田 それはありました。調子が上がらない時は二段で投げたいという気持ちになるんですけど、試合ではできないので。二段で投げている時の感覚と、一段のフォームをすり合わせながらどうやっていくか。そこをずっと考えてやっていました。

── 西谷(浩一)監督やコーチの方に前田投手の状態を確認すると、「この前の練習ではビシビシでした」「昨日のブルペンはメチャクチャよかったです」という反応がけっこうありました。でも試合で見ると、期待するほどではなかったり......。練習の時は二段で投げていても、試合では一段。その差は相当あったということですよね。

前田 それはあったかもしれないですね。

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