スカウトを悩ます甲子園出場投手の「人材難と進路問題」 そんななか「大会ナンバーワン」と絶賛された投手は? (4ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

【星稜・武内涼太は打者としても魅力】

 星稜の武内涼太も石川大会で13イニング13失点を喫し、甲子園でも長崎大会のチーム打率.252の創成館に2回途中6失点(自責点4)と実力を発揮できなかった。

「投打に素材はいい。高校生のなかで、素材としてはトップクラスでしょう」(セ・リーグスカウトB氏)

「常時140キロ台中盤を出すし、持っているエンジンは高校生としてはトップクラスです」(パ・リーグスカウトC氏)

 武内本人は「プロに行くなら投手で」と言うが、高校最後の打席で本塁打を放ったように打者としての魅力もある。

「飛ばす力はあるので、右の長距離砲として魅力があります。獲るなら打者ですね」(パ・リーグスカウトA氏)

 佐々木朗希(ロッテ)のような足を高く上げるフォームで注目を集めた日大山形の菅井颯は、本来の投球を見せられず初戦敗退したが、素材は高評価。

「バランスがいいし、センスがある。順調に育ちそうな感じはあります。現時点で、プロなら育成かもしれませんが、大学なら1年生から使ってもらえる可能性はあります。無理してすぐにプロに入らなくても......という気はします」(セ・リーグスカウトB氏)

「体はあるし、落ちる球もある。素材としては抜群で、甲子園でどんなピッチングをするのか期待したのですが......まだ実力不足ですね。大学に行ってからでも遅くないと思います」(パ・リーグスカウトC氏)

 仙台育英の150キロ左腕・仁田陽翔は、高橋、湯田とは対照的にプロ志望だが、現時点での評価は厳しかった。

「左投手で球が速いのは魅力です。ただ、コントロールが......プロのストライクゾーンに対応できるのか不安です」(セ・リーグスカウトD氏)

 このほかプロ志望組では、英明の左腕・寿賀弘都に可能性を感じるという声があった。

「現時点で投手としてはふつうの左投手ですが、勝負根性がある。ピンチで投げている表情がいい」(パ・リーグスカウトA氏)

「角度のある投手なので、鍛えがいがあります」(セ・リーグスカウトB氏)

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