金光大阪、大阪桐蔭、履正社の不思議な三角関係...「2強時代」に待ったをかけるか (4ページ目)
【春の王者として挑む夏】
なんとも不思議な三角関係だが、春の王者として挑む夏、金光大阪にどんな戦いが待っているのか。
「ウチのことを気にかけてくれている人が『今日は大丈夫やろう』って、ほかの試合を見に行ったり、用事をしたりして、ふと結果を見たら『金光、負けてるやん!』と。そういうことが常に起こりうるチームだと、僕は誰よりも自覚しています。とにかく、そうならないように頑張ります」
そう自虐ネタを披露した横井監督だが、もちろんそのつもりはない。最後はしっかりチームの成長について語った。
「春であれ、大阪1位はすごいことで、この子たちの頑張りの結果。そこは素直に評価したいですね。自分たちはまだまだうまくやれてないことはわかっていますが、この2カ月で『こんなに成長するのか』というくらいチームも選手個々の力も伸びたことはたしかです。今回、春の大会の重要性というものをあらためて感じました。公式戦の経験ってほんと大きいですね」
だとすれば、春の王者が再び夏の主役に......。そう問うと、きっちり笑顔でかわされた。
「いやいや、ウチが春に勝ったことで相手は牙をむいてくるでしょう。『5回で終わらせてやろう』っていうくらいの勢いでくると思います。獰猛なライオンが容赦なくウサギに襲いかかって食いちぎられるというパターンも......。そうならないように頑張ります」
いよいよ始まる金光大阪の夏。猛烈な暑さと強力なライバルたちに囲まれながら、16年ぶりの夏の甲子園を目指す。
著者プロフィール
谷上史朗 (たにがみ・しろう)
1969年生まれ、大阪府出身。高校時代を長崎で過ごした元球児。イベント会社勤務を経て30歳でライターに。『野球太郎』『ホームラン』(以上、廣済堂出版)などに寄稿。著書に『マー君と7つの白球物語』(ぱる出版)、『一徹 智辯和歌山 高嶋仁甲子園最多勝監督の葛藤と決断』(インプレス)。共著に『異能の球人』(日刊スポーツ出版社)ほか多数。
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