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スカウトが注目する香川県立校の快速右腕 「冗談抜きで150キロを目指そう」監督とケガをしないプログラムに取り組んだ (3ページ目)

  • 寺下友徳●取材・文 text by Terashita Tomonori
  • photo by Terashita Tomonori

●プレッシャーを超えて「真のエース」へ

 それから約3カ月。「もうちょっと頑張ったら行ける」との手応えを持って、髙橋はプロ志望を心に定めた。だが最後の夏を前に、髙橋は新たな壁にぶつかっていた。

「練習や練習試合で多く球団の方に来ていただき、今までにない環境で緊張もするなかでいいピッチングを見せなくてはいけない」とプレッシャーを感じていたのだ。周囲の変化に「いつもどおり」がなかなかできずにいる。

 実際、6月17日に生光学園(徳島)との間で行なわれた練習試合でも相手の川勝空人が2年生世代最速となる150キロをマークする一方で自身は141キロにとどまり、制球力も定まらず、スカウト陣が首をかしげるシーンが目についた。

 試合後には生光学園・川勝のストレートについて打者目線から「スピンの利いたボールで転がしにいこうとしてもできなかった」と苦笑いを浮かべた髙橋。ただ、最後にはもう一度前を向いて夏の大会へこう決意を述べた。

「チームメイトも『夏までに万全にしてくれたらいい』と言ってくれるので、今まで一番いいピッチングをして1勝でも多く勝ちたいです」

 多度津の初戦は7月9日の坂出工戦。髙橋は最後の夏にエースナンバー「1」を背負うことが決まった。

「快秀は野球が本当に好きなので、どこにいこうが長く野球をやってほしいし、野球に関わってほしい」と話す前川監督。

 髙橋は多度津に初の甲子園をもたらすため、そして前田大輔(元オリックス)、鈴木義広(元中日)に続く、学校3人目のプロ入りへ向けて戦いに挑む。

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