明治大が六大学野球で圧倒的な強さ ドラフト候補の主将と「伏兵」の活躍、指揮官の選手起用で「完全優勝での3連覇」 (2ページ目)

  • 白鳥純一●撮影・文 text & photo by Shiratori Junichi

【苦しい戦いを救った伏兵の活躍】

「今(先発に)入っているメンバーも明日はどうなるかわからない。こちらとしても悩ましいが、もっと悩ませてほしい」(5月13日、対早稲田戦)という田中監督の言葉にあるように、明治大の快進撃と3連覇は、クリーンナップを担う上田や宗山はもちろん、エースの村田を脇で支える"伏兵"の活躍なくしては成し得なかっただろう。

 慶應大との2回戦(4月23日)では、広陵時代にU-18ワールドカップ高校日本代表を務めたルーキーの内海優太(1年)を代打で起用。6回に決勝点となる2ラン本塁打を放ち、チームの勝利に貢献した。

 1勝1敗1分で迎えた4回戦(4月25日)も延長戦までもつれたものの、今季から正捕手を任された小島大河(2年)の決勝3ランが10回に飛び出し、苦しみながらも勝ち点を獲得。「自分ができることをしっかりやっていきたい」と語る小島は、東海大相模高でセンバツ優勝を決めるサヨナラ打を放った2年前と変わらぬ"勝負強さ"を見せつけた。

「また4戦までもつれる可能性があるので、覚悟しておいてほしい」

 そんな田中監督の言葉に引き寄せられるように、翌週(4月29~30日)に行なわれた法政大戦も、1戦目は逆転につぐ逆転の試合展開となったが、接戦に決着をつけたのは8回に代打で登場した伏兵の木本圭一(2年)だった。

 田中監督が「与えられたところできちんとやってくれる」と信頼を寄せる木本の逆転2ラン本塁打で劇的な勝利を手にすると、続く2戦目もエース村田の完封勝利で2連勝。今季の最優秀防御率のタイトルを手にするだろう法政大・篠木健太郎(3年)から奪った白星は、チームに勢いをもたらした。

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