明治大が六大学野球で圧倒的な強さ ドラフト候補の主将と「伏兵」の活躍、指揮官の選手起用で「完全優勝での3連覇」 (4ページ目)
【「チーム上田」が目指す大学日本一】
「上田と宗山だけではなくいろいろな選手が出てきた。これもチームの成長だと思う」
田中監督がそう振り返ったように、多くの新戦力が台頭するチームで特に存在感を示したのが、今季からスタメンに定着した飯森太慈(3年)だろう。「体力もつき、彼の特長が出たシーズンだった」という飯森は、今季を締めくくる立教大との2回戦で、5打数3安打2打点と活躍した。
飯森は、「三振を恐れずに、しっかりバットを振れるようになったことが打率につながっている」と躍進の理由を語ったが、その試合で打率を.426にまで上げ、首位打者のタイトルを手繰り寄せた。試合後には、昨春に首位打者を手にした宗山からの「逃げたら負ける。攻めた奴が勝つ」というアドバイスでバットが出るようになったエピソードも披露した。
飯森にとっては自身のタイトル獲得をかけた春季リーグ最終戦だったが、プレッシャーのかかる場面でもふだんどおりの実力を発揮した。タイトル争いの行方は、5月27日から行なわれる早慶戦の結果を待つことになるが、「チームで一番練習してきたと思っているので、それが結果につながった」とタイトル獲得に確かな自信を覗かせる。
圧倒的な強さで春季リーグを制した明治大は、6月から行なわれる全日本大学野球選手権(神宮球場・東京ドーム)へと駒を進める。
主将の上田は「負けたら終わりの場面が続く試合なので、緊張感を持ちながら、チーム全員で優勝を目指して戦いたい」と抱負を口にするが、昨年の同大会では、延長タイブレークにもつれた準々決勝の佛教大戦で「非常に悔しいサヨナラ負け」(田中監督)を喫している。今年はその雪辱と、森下暢仁(現広島)を擁して優勝を掴んだ2019年以来の全国制覇を目指すこととなる。
前人未到の大学4冠(大学選手権、春秋リーグ戦、明治神宮大会)達成に向けて、さらなる高みを目指す「チーム上田」の成長から今後も目が離せない。
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