部員13人の城東が68人の東海大菅生に善戦 甲子園初の女子ノッカーの役割が「すごく大きかった」 (2ページ目)
ドラフト候補に挙げられる190cm・95kgのエース、日當直喜(ひなた・なおき)を擁する東海大菅生と戦力を比べれば見劣りするが、城東らしい攻撃で活路を見出した。新治監督は言う。
「うちは足を絡めた攻撃で勝ち上がってきたチーム。なかなか長打を打てる選手がいないので、チャレンジ精神を持って戦ってきました。それが裏目に出てアウトになり、『何をしとるんだ』と思われたかもしれませんが、あれがうちの攻撃なので。何かを仕掛けて相手のミスを誘う、ウイークポイントを突くのが持ち味。それを甲子園でも見せられたと思います」
記録員としてベンチ入りした永野悠菜が、試合前のシートノックを打ったことでも話題を集めた。
「(女子として史上初となる)永野のシートノックを目に焼きつけようと思ったんですが、僕も甲子園は初めてなので、緊張してそれどころじゃなかったですね。シートノックが終わったあと、彼女に『永野も緊張したかもしれんけど、俺も緊張して最後のキャッチャーフライをミスした』と話したら、緊張がほぐれました。そして、『どうだった?』と聞くと、『楽しかったです。緊張したけど、すごく楽しい時間でした』と言ってくれました。
試合になれば、部員たちはいつもどおり。初回の攻撃から臆することなく攻めました。そういう意味で、永野の役割はすごく大きかった。彼女の努力があったから、こうやって甲子園で表現する場所をいただいたんだと思います」
試合には敗れたが、僅差の好ゲームだった。新治監督は夏を見据えている。
「みんなが躍動していたのに、監督の僕が少し守りに入って選手の足を引っ張ってしまったと反省しています。選手たちは、盗塁を刺したり、センターがいい送球をして三塁でランナーをアウトにしたり、自分のたちのプレーを存分に披露してくれました。
チームの合言葉は『打撃じゃなくて攻撃』。バットを振る力も強くなってきています。夏にまた甲子園に戻ってくるためにはどういう攻撃が必要なのか、選手たちと詰めたい。対戦してみて、『東海大菅生のようなチームが甲子園に来られるんだな』と思いました。夏に甲子園に出て、こういうチームとまた対戦できるようにしたいです」
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