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軟式で最速151キロの四国明治・赤尾侑哉はドラフト「隠し玉指名」なるか。巨人・大勢が「プロ挑戦のきっかけをくれた」 (3ページ目)

  • 寺下友徳●取材・文 text by Terashita Tomonori
  • photo by Terashita Tomonori

球速アップの背景に自社のプロテイン?

 大学を卒業し今春、四国明治に入社し軟式野球部へ。ウエイトトレーニングを中心に出力を上げることに注力した。そんな彼の成長をあと押ししたのは、またしても出会いだった。

 ひとりは20年前の創部時からチームに関わっている大村弘二監督。硬式野球から軟式野球に転向した投手が例外なくぶち当たる壁に赤尾が直面した際、アドバイスを送った。大村監督は赤尾の入社当時をこう振り返る。

「赤尾も最初は硬式より軽い軟式ボールに対応できず、ボールが抜けたり浮いたりしていたんです。そこで、ボールの重さを感じながら左足をついてトップまでの時間を長くして、リリースでボールを強く離すフォームづくりを教えました。彼は吸収意欲が高かったので、すぐにマスターしていました。それで6月の天皇杯予選では151キロ。驚きました」

 球速の壁を破った赤尾に四国明治の職場環境も追い風となった。休憩室では「VAAM」「SAVAS」などの自社商品でアスリートに必要な栄養素が常に摂取でき、職場の横にはネットスローが常にできるスペースもあった。

 赤尾は現在、175センチ78キロと決して大柄ではないが、「この1年で体重は5キロ増加。筋肉量が増えたなかで体脂肪率も18%から11%になりました」。周囲のサポートや環境の大きさを日々感じている。

 成長の実感を得たうえで、「やらないと後悔する」と本格的に踏み出したプロ野球へのチャレンジ。ここで現れたのは元横浜DeNAトレーナーの高橋塁氏。四国学院大では、今シーズン最優秀中継ぎ投手に輝いた水上由伸(埼玉西武ライオンズ)のコンディショニングも担当した高橋氏は、会社同僚の縁で知り合うとラプソード測定などで赤尾を支援した。

 加えて大きなハードルとなっていた、大卒社会人選手は2年目以降でないとドラフト指名できないという規定についても、四国明治が日本野球連盟所属でない社会人軟式チームであるため、大卒1年目かつ育成指名に関しても問題がないことが判明。結果、秋になると密かに視察を行なう球団も現れ、複数球団から調査書が届いた。

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