ドラフトでスカウトが密かに注目する「5人の隠し玉」。華々しい実績はなくとも大化けの可能性はある (3ページ目)
最速145キロを誇る国士舘の小笠原天汰(おがさわら・てんた)この記事に関連する写真を見る小笠原天汰(国士舘/投手/178センチ80キロ/右投右打)
今夏の西東京大会を見て、「こんな剛腕がいたのか」と衝撃を受けた。国士舘のリリーフ右腕・小笠原は腕を縦に叩きつけ、最速145キロをマーク。130キロ台で動くカットボールや空振りを奪えるフォークもあり、東海大菅生の強打線を力で制圧した。
球速以上に勢いと球威を感じさせるストレートがあり、今後のさらなるフィジカル強化次第で150キロ超のボールをコンスタントに投じる剛腕へとグレードアップする近未来像が描ける。
9月6日にプロ志望届を提出したが、今夏の東海大菅生戦後の言動からして大学に進学するのではないかと感じていた。延長10回に連続四球を与えた末に決勝点を奪われ、小笠原は敗戦の責任を一身に背負った。
「もちろん野球は続けたいですが、今の自分ではどのレベルでも上でやれるとは思いません。自分くらいのストレートなら全国にはゴロゴロいますし、持ち味を見つけられていません」
口をつくのは反省や悔恨の言葉ばかりだった。それでもプロ志望を表明したということは、自分の可能性に少しでも希望を見出せたということなのか。
いずれにしても、まだ歴史が始まったばかりの原石である。
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