甲子園を沸かせたスラッガー5人を分析。名打撃コーチ・内田順三が浅野翔吾らの長所と課題を語る (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

聖望学園戦で2本塁打を放った大阪桐蔭・松尾汐恩聖望学園戦で2本塁打を放った大阪桐蔭・松尾汐恩この記事に関連する写真を見る松尾汐恩(大阪桐蔭/捕手/178センチ・76キロ/右投右打)

 細身な打席でのシルエット、打撃スタイルは中村奨成(広島)を彷彿とさせます。今夏の甲子園で2本のホームランを打ちましたが、長打力以上にシュアさが印象に残りました。

 左手の小指をグリップにかけ、バットを長く持つスタイル。大振りをせずに芯でとらえるので確実性が高く、変化球を拾うのもうまいです。

 テイクバックの際に右ヒジが少し体の内側に入り、上体をねじる動作もありますが、そこを含めて自分の打撃のリズムになっているので変に直さないほうがいいでしょう。今後プロで速いボールに差し込まれる可能性もありますが、工夫次第で克服できます。たとえば吉川尚輝(巨人)も同様に後ろ腕のヒジが内側に入るタイプでしたが、構える際に両腕を体の前へ伸ばすように出すことで後ろヒジが入らないようになりました。

 知り合いのスカウトから聞くと、捕手としての守備能力も相当に高いようですね。遊撃手もできるそうですから、ドラフト上位指名は堅いでしょう。

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