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甲子園を沸かせたスラッガー5人を分析。名打撃コーチ・内田順三が浅野翔吾らの長所と課題を語る (4ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

強肩・強打の外野手、大阪桐蔭の海老根優大強肩・強打の外野手、大阪桐蔭の海老根優大この記事に関連する写真を見る海老根優大(大阪桐蔭/中堅手/182センチ・85キロ/右投右打)

 大阪桐蔭の打者は他校に比べてレベルが違うと感じますが、海老根くんも素晴らしい素材です。スイングを見ての率直な感想は「手が速い」ということ。ボールを呼び込むまでの動きは大きくても、大振りではなくボールまですごい速さでとらえられる。バットの出方がいいのです。

 自分の間合いでリズムをとれるので、受け身になることなく打つべき球をセレクトできる。多くの打者は「ストレートに差し込まれたくない」「変化球にも崩されたくない」と受け身になって、結果的に中間球を待って中途半端なスイングになってしまいがち。でも、海老根くんは自分の間合いがある上に、トップからインパクトまでのスピードが速いので強烈な打球を生み出せます。

 惜しいのは構えでグリップが低めの位置にあるのに、右ヒジを高く上げようとして少し窮屈な形になっていること。腕に余計な力が入って、打撃を難しくしています。大谷翔平に代表されるように、いい打者は構えた際に後ろ脇(右打者なら右脇)に空間をつくっています。この空間があると、結果的に下半身と上半身が連動したスイングになり、出力が上がるのです。グリップを高くして構えるなど、右脇を空けて自然な形で構えることを勧めたいです。

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