高松商・浅野翔吾は小学生時から95本塁打。甲子園でのホームランに「球場の空気が変わった」 (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 試合後、浅野を1番打者として起用する理由を問われた長尾監督は、こう答えた。

「一番打席数が回ってくるのと、一瞬でピッチャーのリズムが狂うのかなと。衝撃が大きいので、畳みかけられるのが利点だと思います。春の大会が終わったあとくらいに、練習試合の相手の監督さんに『1番を打たせたら怖いねぇ』と言われて。相手は嫌なのかなと思って1番で使うようになりました」

 まさに言葉どおりの1番打者像を相手チームはおろか、全国の高校野球ファンに見せつける形になった。

 なお、本人に今後左打席に立つとしたらどんなシチュエーションかと尋ねると、こんな返答があった。

「球速の緩いピッチャーか、右のアンダースローのピッチャーが相手なら左に立つかもしれないです」

 この試合は「浅野翔吾伝説」の序章にすぎないのか、それとも。次戦は8月15日、技巧派左腕・香西一希を擁する九州国際大付との3回戦になる。

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