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「まだプロはあきらめていません」。オーバー24、ドラフト戦線を賑わす社会人の実力者たち (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 鷺宮製作所の小孫竜二(24歳)も大卒3年目ながら、スポニチ大会で輝いたひとりだった。

 予選リーグ2試合に先発し、11イニングを投げ1失点。奪った三振数は15と、春先とは思えない仕上がりを見せた。

 制球力が課題だったが、昨年の都市対抗でNTT東日本に補強されたことがひとつのきっかけになった。飯塚智広監督(当時)や安田武一コーチからアドバイスを受け、自信を持ってマウンドに上がれるようになった。最速155キロをマークする剛速球に加え、変化球の制球力も格段に向上している。

 鷺宮製作所の岡崎淳二監督は「今年はドラフト上位で指名される選手になろう」と小孫に発破をかけている。また、岡崎監督は「同期生がプロに行って、悔しい思いがあると思う」とも推測する。遊学館高で同期だった石森大誠(中日)、創価大で同期だった杉山晃基(ヤクルト)、望月大希(日本ハム)と身近なライバルが次々にプロへと進んでいるのだ。

 小孫本人は「3人は3人、自分は自分なので関係ないです」と語るが、プロ入りについては「あきらめていません」とキッパリ断言した。

「まずは自分のチームで都市対抗に出て、鷺宮製作所の名前を広めたい。社員あっての社会人野球なので、社員を勇気づけるピッチングをしたいですね」

今年3月のスポニチ大会で3試合3本塁打と爆発した日本新薬の福永裕基今年3月のスポニチ大会で3試合3本塁打と爆発した日本新薬の福永裕基この記事に関連する写真を見る

スポニチ大会で3本塁打

 野手でも春先から猛アピールした選手がいる。スポニチ大会の三菱自動車倉敷オーシャンズ戦から翌日のENEOS戦にかけて、3打数連続本塁打を放った福永裕基(日本新薬/25歳)である。スポニチ大会3試合で打率.583、3本塁打6打点3盗塁と圧巻の数字を残した。

 専修大から入社して4年目。もはや社会人を代表する右打者になったが、昨年のドラフトではプロ球団から調査書が届くことなく指名漏れに終わっている。

 たが、日本新薬の松村聡監督は年々研ぎ澄まされる福永の打撃技術と貪欲さを高く評価する。

「プロに行きたい気持ちをまだまだ持ち続けているのが、彼のいいところです」

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