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川崎宗則の助言も糧に。独立リーグから
NPBを目指す強打者の「吸収力」 (2ページ目)

  • 高木遊●文 text by Takagi Yu
  • photo by Takagi Yu

 給与面なら、大手でなくても社会人野球の企業チームのほうが独立リーグよりも恵まれているのは明白だ。現役引退したあとの雇用も確保されている。だが、佐々木が求めたのはNPBに行ける環境だった。

 数ある独立リーグ球団から栃木を志望したのも、環境面が大きい。

「社会人野球と同じくらいの環境だと思いますし、指導者も間違いないと思いました」

 佐々木がそう語るように、ほかのチームにない魅力が栃木にはある。

 まずは練習場。廃校となった小学校を改装した「小山ベースボールビレッジ」という施設を運営母体である人材総合商社のエイジェックが保有。体育館を改装した室内練習場も完備されており、選手たちも頻繁に利用している。

 そして指導者の充実度も目を引く。外野守備はゴールデングラブ賞2回の岡田幸文コーチ(ロッテ)、打撃指導は飯原誉士コーチ(元ヤクルト)、そして走攻守をはじめチーム全体を見るのが寺内崇幸監督(元巨人)だ。

 佐々木について、寺内監督が「あれだけ振れるのは魅力。NPBに行けるだけのポテンシャルがある」と語る打撃に加え、守備も「毎日特守しています」と岡田コーチと二人三脚で成長を続けている。

「型にはめるのではなく、助言だけをもらい『あとは自分で考えなさい』という感じです。みなさんにお世話になっているので、(恩人を)ひとりに絞るのは難しいですね」(佐々木)と語るほど、強い信頼関係で結ばれている。

甲子園出場後に高校中退。そこからプロを目指す「生意気な」右腕>>

 さらに9月には、元メジャーリーガーの西岡剛と川﨑宗則が加入。打撃練習時に「リラックスすることが大事」というアドバイスをもらったという。

 一方で、成績は思うような数字を残せていない。59試合の出場で打率.287、5本塁打(10月16日現在)。ともに10位以内に入っておらず、抜きん出た数字を残さなければドラフト指名は厳しい。9月30日に行なわれたヤクルト二軍との交流戦に出場するBCリーグ選抜メンバーからも漏れた。

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