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スカウト注目の逸材がそろう仙台育英。打倒に燃える有力校の実力は? (2ページ目)

  • 佐々木亨●文 text by Sasaki Toru
  • photo by Nikkan Sports

 昨秋の東北大会でチームを4強に導いた仙台城南の右腕・阿部伶桜(れお)の名も挙げておきたい。上手投げからスリークォーター気味の投球フォームにしたのが昨秋の地区予選後。右打者に有効なシュートが持ち味となり、その後の好投につながった。スタミナにやや不安はあったが、冬を越えてスタミナアップに取り組んだ。

 野手は、宮城の高校野球を長らく牽引してきた強豪私学の選手たちがやはり注目される

 まず仙台育英の強力上位打線を形成する田中祥都(しょうと)、宮本拓実、入江大樹の3人だ。

 バットコントロールに長けた左の好打者の田中は、昨秋の東北大会では安打を量産。延長に入る接戦となった明桜(秋田)との初戦は、広角に打ち分け5安打。準々決勝以降も毎試合複数安打を記録し、4試合で計12安打を放った。「田中は、派手さこそないが、一人だけ野球の質が違う」とは仙台育英・須江(すえ)航監督の言葉だ。洗練された打撃は全国クラスだろう。

 宮本は、秀光中時代に軟式のU-15日本代表に選出された逸材。昨夏の甲子園では17打数6安打5打点と活躍し、チームのベスト8進出に貢献した。昨秋は主に三番を担った左の強打者で、50メートル6秒前半という俊足も魅力だ。

 そして、プロ野球スカウトも熱視線を送るのが大型遊撃手の入江。昨秋の公式戦12試合で16打点という数字が示すとおり、持ち味は勝負強いバッティングだ。昨年の明治神宮大会は、右足を疲労骨折していたにもかかわらず左翼席中段に飛び込むホームランを放った。今年1月、入江は「今年は逆方向にもホームランが打てるようにしたい。広角に長打を打つことが目標です」と抱負を語り、さらに高いレベルを目指していた。

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