2019.11.01

阪神ドラ1・西純矢の後継者。
創志学園にまたも本格派右腕が現れた

  • 井上幸太●文 text by Inoue Kota
  • photo by Inoue Kota

 前任が偉大であればあるほど、後任にかかるプレッシャーは大きなものとなる。

 しかし、この秋から創志学園(岡山)のエースナンバーを背負う三方陽登(みかた・はると)のマウンドさばきを見ていると、そんな重圧とは無縁にすら感じられる。

西純矢のあと創志学園のエースを受け継いだ三方陽登 堂々とした姿でグラウンドの中心に立ち、豪快に右腕を振り下ろす。ボールを叩くようなリリースは、183センチの身長以上の角度を感じさせる。エースとしてチームを5年ぶりの秋の県大会制覇に導いた三方だが、新チーム発足直後は「創志学園の背番号1」のプレッシャーをひしひしと感じていたという。

「地区大会(県大会出場16校を決める予選)では、まだ1番に対して気持ちが引けているところがありました。夏が終わってからは、コーチに『背番号1のプレッシャーを楽しめ』とアドバイスをもらって……県大会の初戦ぐらいから、少しずつプレッシャーを楽しめるようになってきたかなと思います」

 夏までエースナンバーを背負ったのが、先日のドラフト会議で阪神から1位指名を受けた西純矢。”高校BIG4”と称された剛腕は、三方が創志学園を意識するきっかけでもあった。

「中学時代、『西純矢というすごいピッチャーがいる』とインターネットの記事で見ました。野茂ジャパンにも選ばれていて、創志学園でも1年から公式戦で投げている。甲子園に近いチームだとも思いましたし、西さんと一緒にプレーしてみたいという思いも強くあって、創志に行こうと決めました」

 1年生だった2018年、西が創成館(長崎)戦で披露した16奪三振の快投を甲子園のスタンドで見届けた。

 2年春から背番号18でベンチ入り。エース西の負担を軽減するべく、春の県大会で公式戦経験を積んだが、夏の登板は1イニングのみ。チームも準決勝で敗退し、先輩たちと甲子園の土を踏むことは叶わなかった。

 野球部を引退する西からは、激励のメッセージとともに、昨秋の県大会で使用していた赤オレンジのグラブを手渡された。

「西さんから『頑張れよ』という言葉とグラブをいただきました。西さんは黄色や黒のグラブも使っていたんですが、自分は赤が一番カッコいいと思っていて。すごくうれしかったです」