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広島新庄のエースは本格派右腕。
「左でなければ」のジンクスを破るか (4ページ目)

  • 井上幸太●文 text by Inoue Kota
  • photo by Inoue Kota

 広島新庄には、過去3回の甲子園出場(2014年春、2015年夏、2016年夏)はいずれも左腕エースだったことから生まれた、「左のエースでなければ勝てない」というジンクスがある。桑田は言う。

「甲子園に行っているのも、プロに進んだ先輩の多くも左。実際、自分も田口さん、山岡(就也/現・JXENEOS)さん、堀さんの3人の印象が強いです。去年一緒に投げていた右投手の竹邊(聖悟/現・龍谷大)さんとも『左でしか勝てないって言われるのもイヤやな』という話をしていて。今年勝つことで、そのイメージを変えたいです」

 また、桑田の入学直後の2017年春の県大会決勝で勝って以降、公式戦で広陵からの白星はない。1年生大会を含めると現在5連敗中だ。

「甲子園を目指すうえで、必ず勝たないといけない存在が広陵です。ここまで負けてきて、一番悔しく、印象に残っているのが昨年の夏。今思うと必要以上に『広陵との対戦だ』と意識しすぎた面は確実にあったと思います。この夏も勝ち進めば必ず戦わないといけないと思いますし、今回こそ抑えて勝ちたいです」

 今夏は両校ともにノーシード。お互いに勝ち進めば決勝で顔を合わせる組み合わせとなっている。

 宿敵への雪辱とチームに根付くジンクス打破への思い。その両方を達成した時、控えめな本格派右腕も「いや、オレもなかなか......」と思えるのではないか。2年前に見せた、"BIG4"まで上り詰めた右腕に勝るとも劣らない躍動に魅了された者として、その瞬間を迎えることを期待している。

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