2019.07.12

青年監督がシティライト岡山で初快挙。
それでも「監督に向いてない」

  • 井上幸太●文 text by Inoue Kota
  • photo by Inoue Kota

「投手陣に謝らないといけないかもしれませんね」

 2016年秋からシティライト岡山の監督を務めている桐山拓也(きりやま・たくや)が、端正な顔をほころばせながら、戦いを振り返った。

 5月末から6月初旬にかけて行なわれた、社会人野球の都市対抗中国地区予選。シティライト岡山は、敗者復活トーナメントを勝ち上がり、中国地区第2代表として都市対抗本大会出場をつかみ取った。2007年の創部以来、幾度もはね返されてきた悲願の本大会出場。岡山市からの出場も47年ぶりの快挙だった。

2007年の創部以来、チームを初めて都市対抗へと導いた桐山拓也監督 第2代表をかけた敗者復活トーナメントは、2試合とも2失点で食い止めて勝利を手繰り寄せた。投手陣の活躍が目立ったが、昨秋、今季に向けたチームが始動した段階での桐山の見立ては打のチームだった。

「(チームのエースである)後藤田崇作を除いて、主戦格で投げていた先発投手たちが昨シーズンで引退しました。最低でも3枚先発投手を揃える必要があるなか、後藤田しか確定していない状況。逆に野手陣は経験のある選手たちが多く残っていたので、計算が立つのではないかと考えながらのスタートでした」

 日本橋学館大(現・開智国際大/千葉)時代、ドラフト候補にも名を連ねた小竹一樹、コーチ兼任のベテラン・谷雄太、主将の丸山高明らの野手陣は粒ぞろい。反面、投手陣に関しては「一昨年、昨年に比べても、どう転ぶかわからない」という状態でスタートを切った。

 先発投手の残り2枠を争わせるなかで、配置転換も行なった。2017年の入社以来、リリーフとして起用していた児山祐斗(元ヤクルト)を先発として調整させたのだ。

「児山は、真っすぐに関してはすばらしいものを持っていました。反面、変化球が大きな課題でもありました。先発として長いイニングを投げようと思うと、球威だけでなく変化球も重要になってくる。成長のきっかけをつかんでくれれば、と思っての先発転向でした」

 児山本人もキャッチボール、ブルペン投球の段階からコースを意識して、変化球の精度向上に取り組んだ。その結果、準優勝した4月のJABA岡山大会で敢闘賞を受賞するなど、飛躍的な成長を見せ、十分に計算できる先発投手になった。