2019.06.15

佐々木朗希級のビッグサイズ左腕。
創成館の怪物候補は天性の才を持つ

  • 加来慶祐●文 text by Kaku Keisuke
  • photo by Kaku Keisuke

 高知中時代に軟式で150キロを投げて注目を集めていた森木大智は高知高に進み、この春の四国大会で早くも公式戦デビュー。硬式でもすでに149キロをマークしたという。その森木とライバル関係にあった明徳義塾中の関戸康介は大阪桐蔭に進学。さらに仙台育英秀光中時代に147キロを記録した左腕の笹倉世凪(せな)、144キロ右腕の伊藤樹も仙台育英高のメンバーとしてデビューを果たした。

 彼らを筆頭に、早くも”怪物世代”としてフォーカスされつつある高校1年生たちだが、彼らに負けず劣らずの素材が長崎にいる。

1年生ながらすでに公式戦デビューを果たした創成館の鴨打瑛二 創成館・鴨打瑛二(かもうち・えいじ)、194センチ、81キロの大型左腕だ。今、話題の佐々木朗希より身長は5センチ高い。佐賀県出身で中学時代は黄城(おうじょう)ボーイズに所属。中学1年時にチームは全国大会に出場したが、当時は主力ではなかったために大舞台でのプレー経験は皆無に等しい。

 現在、鴨打の最速は135キロ。実戦レベルで使える変化球もカーブぐらいで、チェンジアップとフォークは、キレ、コントロールともようやく中学生の域を超えたレベル。足腰の強さもまだ不十分だ。完成度の高い冒頭の4人に比べると、鴨打は”未完の大器”と言ったところか。

 それでも社会人野球の九州三菱自動車でプレーし、指揮を執ったこともある稙田龍生(わさだ・たつお)監督も「あれだけスケール感のある投手は初めてです」と、鴨打のポテンシャルを絶賛。投げるだけでなくフィールディングも俊敏で、外野を守らせてもうまくこなす。稙田監督は言う。

「一歩一歩が大きいので鈍く見えますが、自分の体をちゃんと使いこなせている。そのあたりは教えて身につくものではない」

 そしてピッチングに関しても、次のように評価する。

「リリースが高いので、高めのボールでも打者は手を出してしまう。ボールゾーンもストライクゾーンに見えてしまう分、ボールを振らせることができる。そうすると、自ずとストライクゾーンが広くなる。その点を本人が理解しているのか、しっかり投球に生かせている」