2019.06.14

韓国、中国から続々来日。日本の
独立リーグがアジアの野球少年を救う

  • 阿佐智●文 text by Asa Satoshi
  • photo by Asa Satoshi

 世界野球ソフトボール連盟(WBSC)の加盟国は136カ国。今年もU-18ワールドカップが韓国で開催されるが、近年、WBSCは野球・ソフトボールの各競技における年代別の国際大会に力を入れるようになってきた。

 また、すでに来年の東京五輪に向けて予選が各地区で行なわれており、さらに今年秋にはプレミア12、再来年はWBCと、トップレベルで各国が頂点を目指す国際大会が目白押しとなっている。

 しかし、そういうなかにおいても、まだ野球が国際的に普及していないのは、加盟国のレベルの差が他競技と比べてあまりにも大きすぎることが理由として上げられる。プロ化が世界的に進むサッカーと比べればその差は歴然としており、競技環境に恵まれず、才能を開花させることなく終わる選手も多い。

 そういう意味で、2005年に発足した日本の独立リーグは大きな可能性を秘めている。NPBというトッププロリーグでプレーするには技量が足りない選手でも、ここでなら低いながらも報酬を受け取り、野球を続けることができる。

 学卒後、プレーを継続する道がなかなかないのは、競技を問わず世界共通のことであるが、近隣の東アジアの野球も同様である。日本のライバルである韓国でさえ、学卒後にプレーできる場は、10球団のプロリーグ・KBO(韓国プロ野球)しかない。

 また、近年MLBが人材獲得先として注目し、各地にアカデミーを設立している中国などは、そもそも国内でプレーする場自体が少ない。

 今回、この韓国、中国から日本の独立リーグ、ルートインBCリーグの埼玉武蔵ヒートベアーズ(武蔵HB)に入団したふたりの選手を紹介したい。

目標はNPBでプレーすることだと語る劉源日本の独立リーグから中国代表入りを目指す長身右腕

 武蔵HBには現在5人の外国人選手が在籍している。そのうち3人はベネズエラからやってきた元マイナーリーガーだが、彼らと流暢な英語で会話を交わしているのが中国人投手の劉源(リュウ・ユアン)だ。

 中国の首都・北京生まれの劉が野球に出会ったのは、小学校1年の時だった。偶然、彼の通っていた小学校に野球チームがあった。1995年生まれの劉が小学生だったのは、2001年から2007年で、ちょうど北京五輪を控えていた時期にあたる。