2018.11.24

高校ではベンチ外も大学で開花。
本塁打連発の男が一躍ドラフト候補へ

  • 永田遼太郎●文 Nagata Ryotaro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 この秋、関東地区大学野球選手権(横浜市長杯)から、とんでもない男が登場した。創価大学3年の山形堅心(やまがた・けんしん)である。

 1回戦の桐蔭横浜大学戦で左越えに豪快な一発を放った山形は、続く2回戦の国際武道大学戦、準決勝の上武大学戦でも続けてホームランを放ち3試合連続本塁打。

この秋の活躍で来年のドラフト候補に躍り出た創価大のスラッガー・山形堅心 そのなかでも国際武道大学のエース平川裕太から打った右中間に運ぶ本塁打は、引っ張りだけでなく逆方向にも強い打球が飛ばせる証にもなり、見ていた多くの者たちを驚嘆させた。

「あれはカットボールだと思うんですけど、真っすぐのキレがいいピッチャーだって聞いていたのでそのタイミングで打ちにいったら、タイミングが合ってくれて……あとは風にも乗ってくれた感じですね」

 大会中は4試合で15打数8安打を放ち、個人の大会最多安打記録も塗り替えた。さらに大会3本塁打は、第3回大会の平本哲大(上武大学)と並ぶ大会タイ記録。今大会の最優秀選手賞にも輝いた。

 こうして彗星の如く現れた今大会の山形だったが、高校時代は明徳義塾(高知)でレギュラーポジションを掴むことができず不遇なときを過ごした。

「高校時代も自主練習は欠かさずにずっとやっていたんですけど、競争が激しい高校だったので、なかなかチャンスが少なくて……。そのチャンスもずっと掴み切れずにいて、歯がゆい思いをしてきました」

 大阪府・東大阪シニア出身の山形は、明徳義塾・馬淵史郎監督の熱心な誘いに応えて、高知での寮生活を選んだ。

 高校1年秋の四国大会が終わった頃には4番キャッチャーで起用されることも少なくなかったが、大会前の練習で右手小指にボールを当てると、骨にヒビが入るケガを負い、しばらくは痛みもあってバットも握れない状態が続いたという。

 それでも、馬淵監督は「お前をメンバーから外すつもりはない。ファーストでどうや?」と言って、山形に強い期待をかけた。

 だが、その後の練習試合でも山形は思うような結果が残せない。結果、センバツは背番号12でベンチ入りとなり、定位置奪取とはならなかった。