名将の孫、最後のPL戦士...来季ドラフト注目の大学生野手も凄かった (3ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 守備で光っていたのが、日本体育大の遊撃手・船山貴大(3年/右投右打/日大三高)だった。打球に反応する最初の動き出しのスピードは、すでにプロレベルといってもいいほど。おそらく、「この打者のスイングで、このボールなら打球はこっち」と想定しているのだろう。抜けたかなと思う当たりでも、なぜかそこには船山が待ち構えている。

 外野手なら法政大の向山基生(むこうやま・もとき/3年/右投右打/法政二)だ。俊足・強肩という肩書きだけでなく、全身の柔軟さ、ボディーバランスの良さは特筆ものだ。合宿ではセンターを守っていたのだが、右に左に難しい打球を何度も好捕。

 バッティングも、この秋のリーグ戦で打率.327をマークしたように、全身のしなやかな連動で振り抜かれるスイングは伸びしろ十分。とにかく、来年が楽しみな選手だ。

 逸材揃いの合宿でひと際違うムードを漂わせていたのが、東洋大の中川圭太(3年/内野手/右投右打/PL学園)。高校、大学の大先輩である今岡誠(現・ロッテ二軍監督)の再来と言われ、すでに2018年のドラフトで"1位確実"と評されている存在だが、いい意味でそのことを自覚しているような印象を受けた。

 身長180センチと二塁手にしては大型だが、プレーに俊敏性があり、確実性もある。二塁ベース寄りの打球をサッと捕球して、ベースに入る遊撃手にフワッとボールを渡すリズムはすでにプロ級。

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