彦根東と東筑の甲子園。公立進学校は
どんな「野球と勉強」をしたのか (4ページ目)
東筑の進学実績は、去年、京大8人、阪大4人、北海道大4人、九州大59人など、国公立大209人の合格を誇る。
ただ去年、東大合格者はゼロだった。他の大学も合格者が少なくて、例年よりかなり芳しくない実績だったそうだ。
東筑の場合、夏休み中も7月いっぱいと8月16日から午前中に課外授業があるという。それは夏の県大会がある野球部も例外ではなく、6年前、県大会の決勝戦に進出した時は、午前中の課外授業を受けてから試合に臨んだそうだ。当時のピッチャーが普段通りのリズムで臨みたいと言ったというから、課外授業が当然のこととして染みついている。
試験は定期考査が5回、課題考査が3回、校外模試が5回など。定期考査は進級に関わるので最重要となる。
彦根東と違うのは、赤点をとってしまった場合だ。過去の監督はダッシュさせたり、草むしりさせたりもあったというが、青野浩彦監督は特にお咎めなし。
「『勉強しろよ』というのは学校が言うから。僕は野球をしっかり考えなさいと言います」と青野監督はさらりと流す。
東筑には推薦入学もある。年によって異なるが、生徒会活動などあらゆる分野を含めて1学年320人の1割程度。強化指定のクラブがあるわけではないので、バレー、柔道、剣道、卓球などいろんな競技も含まれる。囲碁で入学した生徒もいて、先日、全国で4位になったそうだ。もちろん、一芸に加えて学業の成績は必須で、内申点と作文と面接で決まる。
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