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【自転車】TeamUKYOの窪木一茂、全日本選手権を制す! (3ページ目)

  • 西村章●構成・文・写真 text & photo by Nishimura Akira

 その土井に対して、「本場欧州のレースを知り尽くしている土井さんがいるから、このチームに移籍してきた」と公言するのが、2014年シーズンからTeamUKYOに加わり、今年が同チーム2年目となる窪木一茂だ。窪木は、昨年11月の全日本トラック競技選手権のオムニアム(2日間にトラック6種目を行ない、合計ポイントを競う競技)で優勝し、全日本チャンピオンを獲得した。当面の第一目標をリオ五輪の出場枠獲得と話す一方で、「チャンスがあれば、ロードでも全日本チャンピオンを狙ってみたい」とも語っていた。

 選手たちの様々な思いが交錯する中、2015年の全日本選手権は午前9時にスタートした。栃木県那須町の公道に1周16キロのコースを設定し、15周して争う今回のレースの総走行距離は240キロ。ほぼ、「東京-名古屋間」に相当する長さだ。スタート直後から絶え間なく細かいアップダウンが続くコースレイアウトは、時間の経過とともに選手たちの脚をじわじわと確実に削っていく。

 レースは序盤から土井が積極的に仕掛け、10名程度のトップグループをぐいぐいと牽引した。あっという間に、この逃げグループと90名程度のメイン集団は5分の差が開いた。そのメイン集団後方につけていた窪木は、2周目終盤に数台の落車に巻き込まれてしまう。自転車に再びまたがり体勢を立て直そうとする間にも、前方の集団はどんどん離れていく。

「自転車が壊れてなかったので、『大丈夫、まだ行ける』と思いました。チームメイトも自分を守って前に引っ張り上げてくれたので、追いつくことができました」(窪木)

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