【自転車】欧州との歴然たる実力差。片山右京が考える「次の一手」

  • 西村章●構成・文 text by Nishimura Akira  photo by AFLO

遥かなるツール・ド・フランス ~片山右京とTeamUKYOの挑戦~
【連載・第64回】

 TeamUKYOが目標に掲げる「ツール・ド・フランス参戦」を果たすためには、国際自転車競技連合(UCI)にプロコンチネンタルチームとして登録する必要がある。そのためには、何が必要となるのか――。チームを率いる片山右京が、「次なる一手」を語ってくれた。

(前回コラムはこちら)

今年のジロ・デ・イタリアを制したアルベルト・コンタドール今年のジロ・デ・イタリアを制したアルベルト・コンタドール 日本人として、日本国籍のプロコンチネンタルチームを作りたいのだ、と片山は言う。

 だが、いうまでもなく、実際にそれを成し遂げるのは容易なことではない。

 日本とヨーロッパの間には、「実力差」という大きな壁が立ちはだかっている。ワールドツアーで優勝を争うことのできる高い実力の持ち主と、そのエースを支えて「勝つための戦略」を組み立てられるだけの分厚い選手層――といったチームの構成要件を考えると、彼我のレベル差はあまりにも大きい。

「日本人でも頑張っている選手はたくさんいるけれども、アルベルト・コンタドール(スペイン/史上5人目のグランツール完全制覇達成者)やナイロ・キンタナ(コロンビア/2014年ジロ・デ・イタリア総合優勝)、ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア/2014年ツール・ド・フランス総合優勝)たちと争いながら、集団をコントロールできる選手が果たして今の日本人の中にいるのかというと、残念ながら非常に難しい......というのが現状だと思います。新城選手(チーム・ユーロップカー)や別府選手(トレック・ファクトリー・レーシング)、土井君(TeamUKYO)といった水準の選手が10人くらい集まって、チーム内で切磋琢磨するレベルにならないと、レースでメイン集団を走ることもできないでしょう。

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