【新車のツボ137】スズキ・スイフト、安い、軽い、速い(軽いから)の三拍子
新車で諸経費コミコミ200万円前後まで......という手頃な予算で乗ることができて、多くのクルマ通から「コイツ、わかっているな」と思ってもらえる日本車は、現在2台ある。1台がマツダ・デミオ(第122回参照)であり、なにを隠そう、もう1台がこのスズキ・スイフトだあああ......と、私は断言してみたい。
ここでも何度か書いているが、軽自動車では押しも押されもせぬビッグネームのスズキも、登録車(=白ナンバー)では、知る人ぞ知る......のオタクなツボグルマが多い。
スズキの白ナンバー車は、ごく一部の例外を除いては、日本より海外を主戦場にするグローバルカーがそろう。経済ニュースに興味がある人なら、スズキの生命線がインド市場だと知っている向きも多いはず。実際、スイフトも総生産台数の半分以上をインドで売る。国別のシェアでそれに続くのが日本だが、それとほぼ同数のスイフトが欧州でもさばかれる。
それでいて、今のスズキ(の四輪車)は北米市場からは撤退している。日本の自動車メーカーの大半は、なんだかんだいっても北米市場に依存しているが、スズキは例外なのだ。スズキの白ナンバー車がちょっと個性的なのは、そんなところにも理由がありそうだ。
アメリカでは1台も売られず、欧州市場が地元日本と同じくらい重視されるスイフトは、これまでも"欧州風味"を前面に押し出したクルマづくりをしてきた。それがインドでも、日本でも、そして欧州でもウケた。
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プロフィール
佐野弘宗 (さの・ひろむね)
1968年生まれ。新潟県出身。自動車評論家。上智大学を卒業後、㈱ネコ・パブリッシングに入社。『Car MAGAZINE』編集部を経て、フリーに。現在、『Car MAGAZINE』『モーターファン別冊』『ENGINE』『週刊プレイボーイ』『web CG』など、専門誌・一般紙・WEBを問わず幅広く活躍中。http://monkey-pro.com/