【新車のツボ136】ルノー・トゥインゴ、
人もクルマも見た目でしょ?
欧州では超メジャーブランドのルノーだが、日本では知ってのとおり(というか、ルノーそのものを知らない日本人も多い)、変なモノ好き(?)好事家向け......のニッチ商品だ。
かくいう私もこれまでルノー車ばかり3台を続けて購入して、そのうちの2台を今でも所有する変なモノ好きのひとりだが、今までルノーに目もくれなかったごく普通の方々に「このクルマ、かわいい!」とか「これがお前のいっているルノー?」と、やけに話をふられるのが新しいトゥインゴである。
トゥインゴはルノーではもっとも小さくて安価なスモールカーである。早いハナシが、欧州の軽自動車のようなものだ。そんなトゥインゴがルノーのくせに(失礼)、クルマにさして興味のない日本の方々にもピンとくる理由は簡単である。ご覧のように、デザインのキャラがメチャクチャ立っているからだ。
トゥインゴのデザインは純粋に可愛らしく、新鮮だが、なつかしくもある。同時に、クルマオタクの好事家は、これが1980年代の世界ラリーで活躍したルノー5ターボへのオマージュと直感する。こうして、いろんな層に刺さる要素を融合したトゥインゴの商品デザインは、さすがはプロらしい高度な仕事である。
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著者プロフィール
佐野弘宗 (さの・ひろむね)
1968年生まれ。新潟県出身。自動車評論家。上智大学を卒業後、㈱ネコ・パブリッシングに入社。『Car MAGAZINE』編集部を経て、フリーに。現在、『Car MAGAZINE』『モーターファン別冊』『ENGINE』『週刊プレイボーイ』『web CG』など、専門誌・一般紙・WEBを問わず幅広く活躍中。http://monkey-pro.com/