【新車のツボ136】ルノー・トゥインゴ、人もクルマも見た目でしょ? (2ページ目)
昔の自動車メーカーではエライのはあくまでも技術者であり、デザイナーは「技術の粋を集めた高度な機械を、見苦しくない程度にラッピングする」のが仕事だった。誤解を恐れずにいうと、かつての自動車メーカーでのデザイナーの地位は、その程度でしかなかった。
しかし、最近はデザイナー出身者を重要な役員ポストに据える自動車メーカーが増えている。デザイナーと技術者が対等にわたりあう......のがクルマづくりの最新のツボとなっているが、そういうデザイン重視メーカーの元祖となったのが、じつはルノーなのだ。
ルノーは今から30年も前の1987年に"デザイン担当副社長"という役職をつくり、その初代デザイナー役員となったパトリック・ル・ケマン氏は2009年までの22年間、らつ腕をふるった。事実、ル・ケマン時代のルノーはハイトワゴンを欧州に初めて投入するなど、最先端のトレンドセッターであり続けた。
トゥインゴはそんなル・ケマン氏の後を継いだオランダ人デザイナー、ローレンス・ヴァン・デン・アッカー氏がデザイン副社長になってからの作品である。ヴァン・デン・アッカー体制になって初の市販ルノーはキャプチャー(第83回参照)で、その次が4代目ルーテシア(第95回参照)だった。
ちなみに、ルノーに引き抜かれる以前のヴァン・デン・アッカー氏は日本のマツダのデザイン本部長をつとめており、今のマツダの顔となっている五角形グリルはそのときに考え出されたものだ。
......おっと、やけに堅苦しくなってしまったが、つまりは「クルマだって商品、商品のツカミはデザイン、デザインって大切よね〜」というハナシである。
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