【新車のツボ138】マツダCX-5、見た目はほぼ同じも、乗ってビックリの新型

  • 佐野弘宗●取材・文・写真 text&photo by Sano Hiromune

 この新型マツダCX-5は、2016年末にフルモデルチェンジされた2世代目となる。前身の初代CX-5(第71回参照)といえば、クルマのスミズミにいたるまで、それ以前のマツダ車と決別した完全新世代商品の第1弾で、現在のマツダ人気の土台となったクルマだ。

 そんな初代CX-5の発売は2012年2月だった。つまり、CX-5は5年を待たずに2代目の新型に世代交代した計算になるわけで、初代CX-5の寿命は最近ではかなり短い部類に入る。しかも、せっかくのフルチェンジなのに、少なくとも写真やカタログを見るかぎり、新型CX-5の"新しい感"はかなり薄い。

 ......というか、初代も最後まで古びた感はまるでなかったし、新型の基本プロポーションやデザインの思想や方向性も初代からあまり変わっていない。ボディサイズも初代とほぼ同じ。今のマツダ車は毎年のように改良の手が入って、新しい要素技術はモデル途中でもどんどん入れられるので、この2代目CX-5の技術内容も、マニアなら「当然そうなるわな」と予測がつくものが大半だ。意地悪にいうと、新型車なのに新鮮味がまるでない!

 だから、新型CX-5を初代と比較しても「室内がこんなに広くなった!」とか「今まで積めなかった○○も楽々収納よん♡」、あるいは「信号ダッシュで先代を置き去り♪」、もしくは「燃費が△割もアップして、お得よね〜」みたいな、わかりやすい進化のツボは皆無に近い(笑)。他人事ながら「せっかく大金かけたフルチェンジなんだから、もっと新味を出せばいいのに」とか「この程度のリフレッシュなら、急いでフルチェンジする必要はなかった!?」と、ツッコミを入れたくなる。

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