【新車のツボ119】ルーテシア・ルノースポール・トロフィー試乗レポート (3ページ目)
また、4〜5速でアクセルをベタ踏みすると、オーバーブースト機能というのが作動して、瞬間的にトルクがさらに上乗せ(最大280Nm)されるのもトロフィー専用。もっとも、この機能は「日本の公道では使っちゃいけない領域の話だから」と、日本向けのカタログや資料ではあえて明示されていない。
こうして中身はマニアックにイジったトロフィーだが、外観を写真で見るだけでは、従来のシャシーカップとほとんど区別がつかない。厳密には外装の数カ所に"TROPHY(=トロフィー)"の文字があしらわれる以外は、真っ黒だったホイールが一部シルバーになって、車高がちょっと低くなった程度で、これらのちがいは写真では表現しづらい。
ただ、その車高が前20mm、後10mmと、あえて少し前のめりにローダウンされており、現物を目の前にすると、やはり独特の不敵オーラは増している。しかも、サスペンションもバネの硬さをそのままにダンパーだけを締めて......と、鼻のアブラが、なんとも通好みのシブい成分であるところがまたツボ。
というわけで、トロフィーはこれまでと別物......とまではいわなくとも、ちがいは歴然。もともとキレキレだった操縦性はさらにキレッキレになり、パワートレーン切り替えを"RACE"というトップガンモードにすると、加減速も変速も"バシュバシュッ!"である。タイヤのグリップも明らかに高くなっているのに、タイヤにクルマが負けてフラつく兆候もまるでなし。乗り心地は少しだけゴツゴツ増しだが、そもそもルノースポールを買うような筋金入りなら、100人中98人は迷わず「どうせ買うならトロフィー!」だろう。
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