SASUKE誕生秘話 総合演出家、乾雅人が振り返る「最初は偉い人から怒鳴られまくり、地獄のような現場だった」 (4ページ目)

  • 大野智己●取材・文 text by Ohno Tomoki

――現在は、165以上の国と地域で視聴されており、現地版も世界25カ国で制作されています。

乾 やはりアメリカでの爆発的な人気が、ヨーロッパやアジア、オセアニアに伝播していくきっかけになりました。アジアだけでなく、西洋地域でも熱狂するコンテンツなんだとアメリカ版が認識させてくれた。本当に何が起こるかわかりませんよね。

――山田さんのようにSASUKEを通じて、人生そのものが大きく変わったに方は外国にもいらっしゃるんですか。

乾 いますよ。あるスーパーマーケットの店員だった人は、現在NINJA WARRIORのゲーム制作をやっていますし、SASUKE専門のジムを経営してひたすらSASUKEのトレーニングに励む人がいたり、自ら新エリアを作り、随時放送局に売り込んでいる方もいます。

――ある意味、SASUKE一色の生活になると。SASUKEの何がそうさせるんでしょうか。

乾 それは僕も聞きたいです(笑)。山田さんはもちろん、長野さん、森本裕介くん、漆原裕治くん、あるいは岩本照さん......。僕も大勢の方に聞くんです。でも何を聞いてもピンとこない。だってテレビ番組ですよ。なぜそんなに愛情を注ぐのか。なぜそんなに時間を費やし、家族や会社を巻き込んでしまうのか。僕自身、謎なんです。言えるのはSASUKE愛にあふれる方が世界中にいて、熱狂的なお客さんがいること。「SASUKEワールドカップ2024」でも世界のSASUKEへの愛を強く感じましたね。

■乾雅人インタビュー後編 SASUKEワールドカップの「編集中に何度も涙ぐみました」 >>

■森本裕介インタビュー サスケくんが海外勢を見て覚悟したこと >>

■日置将士インタビュー ワールドカップへのプレッシャー「絶対にファイナルにいかなければ」 >>

【Profile】
乾雅人(いぬい・まさと)
1964年生まれ、テレビ演出家。「SASUKE」「Amazon 風雲!たけし城」「旅するサウナ」 「リアル脱出ゲームTV」など数々の番組演出を手掛ける。FOLCOM.代表

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