投資教育を1年間受けた高校野球部生の人生は? 「株式投資か起業か就職か」 (4ページ目)

  • 鈴木雅光●構成 text by Suzuki Masamitsu
  • はまのゆか●絵 illustration by Hamano Yuka

【常に他人とは違うことを】

奥野「いや、もちろんワークライフバランスは大事だし、起業や経営に興味がない人にまで辺境の地への配属を希望しろとは言わないけど、与えられた場所で働かされマインドで『ワーク』するだけでは、どんどん貧しくなって『ライフ』も危うくなるかもしれない、という点は意識してもらいたいね。

 何を選ぶかは、結局のところ、人それぞれなんだけど、ひとつ言えるのは、成功する人は、常に他人とは違うことをやろうとするってこと。同じことをやったら、厳しい競争に巻き込まれるだけでしょう。商品・サービスと同じで、競争に巻き込まれたら最後、行き着くところはひたすら値引きをするしかなくなる。その結果、どんどん貧しくなってしまう。

 そうならないようにするためには、常に他の人とは違う視点と発想を持ち、人と違う行動を取ることができる胆力、勇気を持ち続けること。これは起業するだけでなく、会社勤めで成果を望むなら当てはまるはずだよ」

由紀「起業とか投資とか、いろいろなお話を聞かせてもらうようになって、もう1年です。まだまだですが、何となく投資家的な思考法がわかってきたような気がしますし、本気になって自分の将来を考えていきたいと思います」

奥野「そうだね。あわてて会社を作ったり、株を買ったりすることが『投資家になる』ということではないから。で、ふたりは将来についてどんなことを考えているのかな」

鈴木「あと1年は野球と勉強に集中して、自分が何をしたいのか真剣に考えてみたいと思います」
由紀「まずは留学制度が整っている大学に入学して、語学力を高めて、海外の学校に留学したいと考えています」

奥野「どういう道を歩むにしても、大事なのは『自分のオーナーになる』ことなんじゃないかな。『当たり前じゃん』と言われそうだけど、案外、そうでもなかったりするんだ。

 たとえば就職先や進学先を選ぶ時も、なんとなく親が行ってもらいたそうな会社を選んだり、周りの人から『かっこいいよ』なんて思われている会社を選んだり、そういうことって結構ありがち。でもそれは、自分が自分のオーナーになっていない、典型的な事例なんだ。

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