絶体絶命のピンチでも揺るがなかったドジャースの結束力 ロハスの同点弾と山本由伸の緊急登板
L.A Timesが報じたワールドシリーズ第7戦の舞台裏(後編)
2025年シーズンの米大リーグ(MLB)ワールドシリーズは歴史に残る激闘だった。勝負は第7戦までもつれ込み、延長11回でブルージェイズを制し、連覇を成し遂げたのはドジャースだった。
その全軌跡に密着したのが、地元紙Los Angeles Times(ロサンゼルス・タイムズ)だ。同紙はこの歴史的な勝負の行方を詳報し、「ドジャース王朝が幕を開けた」と論じた。
120点を超える秘蔵写真と日本未公開の13万字以上の詳述で、21世紀初の連覇達成への道のりを記した『L.A TIMES』公式独占本『DODGERS' JOURNEY(ドジャース・ジャーニー)大谷翔平・山本由伸 みんなでつかんだ世界一』(Los Angeles Times編、児島修 訳/サンマーク出版刊)。日米同時刊行された本書からその一部をお届けする。
ワールドシリーズ連覇を達成し、ロバーツ監督(写真左)と抱き合う大谷翔平 photo by L.A Timesこの記事に関連する写真を見る
【満身創痍で迎えた朝】
(ジャック・ハリス 2025年11月1日)
前夜、地区シリーズ第2戦以来の先発出場となったベテラン二塁手のミゲル・ロハスは、苦しい体勢で試合を決めるダブルプレーを完成させた際に、肋間筋の痛みが再発。そのままチームメイトにもみくちゃにされたために、さらに状態が悪化した。
翌朝目覚めると、左脇腹がうずき、腕を頭上に持ち上げることすら辛かったという。
ロハスは振り返る。
「チームドクターから『出られそうか?』とメッセージが来たんだ。とにかく球場に行って、バットを振ってみないとわからないと答えたよ」
ロハスは試合前に長時間の治療を受け、さらに痛み止めの注射を数本打ってもらい、なんとかプレー可能な状態に持っていった。「彼はトラマール(痛み止め)で"武装"したよ」とデーブ・ロバーツは冗談交じりに話す。ロハスが打撃練習に立つと、オーナーのマーク・ウォルターもロハスのスイングに感心し、「強い打球を飛ばしているじゃないか」と周囲に漏らしたという。
こうして、ロハスは9番セカンドでスタメンに名を連ねた。
9回の打席に立ったロハスは、ドジャースにとって最後から2番目の希望だった。
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