岡副麻希が語るスーパーGT最終戦。ピットで見ていた"悲劇"の瞬間、その後のドライバーの涙と絆 (2ページ目)
スーパーGTの2021年シーズンを振り返った岡副さんこの記事に関連する写真を見る 300クラスのNSX GT3がSUBARU BRZとのバトル中にブレーキングで止まりきれず、山本選手がドライブするNSX-GTに接触してしまったのです。その結果、山本選手のマシンはダメージを受け、チャンピオン争いから脱落。大逆転でTGR TEAM au TOM'Sの関口選手と坪井選手がチャンピオンに輝きました。
スーパーGTは最後まで何が起こるかわからないと、あらためて実感した2021年シーズンでしたが、取材現場でもっとも印象に残っているシーンも、やっぱり最終戦でのNSX同士のアクシンデントです。あの瞬間、TEAM KUNIMITSUの監督やメカニック、ARTAのチームスタッフの方々もまさかの展開で、ホンダ陣営はみんなあ然としていました。
タイトル獲得の可能性が消えたTEAM KUNIMITSUの牧野選手もピットレーンで静かに涙を流していましたが、そこにARTAの福住仁嶺選手がそっと寄っていって、背中をポンポンと叩いていたのです。牧野選手と福住選手はライバルではありますが、一緒に海外で戦っていた時期があり、レース期間もチームの垣根を越えて談笑する姿をよく見かけるので仲のよさがうかがえます。そのシーンを見て、ふたりの友情の深さを感じましたね。
タイトルを失った山本選手も心のなかでは思うことがいろいろあったはずですが、それを胸の内に収めて、レース後にはチャンピオンを獲得したTGR TEAM au TOM'Sのふたりを讃えていました。その姿はすごくカッコよかったですし、スポーツマンだなぁって感じました。
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