岡副麻希が語るスーパーGT最終戦。ピットで見ていた"悲劇"の瞬間、その後のドライバーの涙と絆

  • 川原田 剛●構成 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 田中 亘●撮影 photo by Tanaka Wataru

岡副麻希インタビュー前編「スーパーGT」

2021年シーズンのスーパーGTは前年に続いて最終戦でタイトルが決定するという劇的なエンディング。ランキング5位で最終戦に臨んだau TOM'S GR Supraの関口雄飛選手と坪井翔選手のコンビがシーズン初勝利を挙げ、大逆転でシリーズチャンピオンを獲得した。『SUPER GT+』(テレビ東京系列/毎週日曜23時30分〜)のリポーターとして3年目を迎えた岡副麻希さんは、この大逆転劇をどう見たのか? 2021年シーズンで心に残った場面とともに語ってくれた。

『SUPER GT+』でリポーターを務めている岡副麻希さん『SUPER GT+』でリポーターを務めている岡副麻希さんこの記事に関連する写真を見る

【予想外のアクシデントを取材】 

岡副麻希 2021年シーズンはF1のチャンピオン争いも劇的な展開となりましたが、スーパーGTも2年連続で予想外の形でタイトルが決着し、大いに盛り上がりました。

 2020年シーズンの最終戦は、平川亮選手がドライブするTGR TEAM KeePer TOM'Sのトヨタ・スープラが最終ラップまでレースをリードし、そのまま優勝してタイトルを獲得するのかと誰もが思っていましたが、ゴール目前にガス欠でスローダウン。TEAM KUNIMITSUの山本尚貴選手と牧野任祐選手のコンビが優勝し、大逆転でタイトルを獲得しました。

 まさか2021年シーズンも同じようなドラマチックな結末になるとは予想もしていませんでした。富士スピードウェイで開催された最終戦はスープラ勢が好調で、ランキング5位のTGR TEAM au TOM'Sがレースを独走していました。でもシーズンを通してミスなく安定した速さを発揮し、チャンピオン争いをリードするTEAM KUNIMITSUの山本選手が着実に4位を走行していました。このままの順位で山本選手がゴールして2年連続でチャンピオンになるだろうと思い、私はレース終盤、TEAM KUNIMITSUのピットに移動し、タイトル獲得の瞬間をリポートしようとしていました。

 ところが、隣のピットのARTAに動きがありました。300クラスのNSX GT3がポジションを上げてきて、ポイントリーダーのR&D SPORT のSUBARU BRZをとらえようとしていたのです。ARTAの鈴木亜久里総監督の「気をつけろよ! 落ち着いていけよ!」という声も聞こえてきたので、ARTAのピットに向かったら、思いもしないアクシデントが起きました。

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