スタメン復帰! インテルが突然、長友佑都を必要とした理由

  • マッテオ・ブレーガ●文 text by Matteo Brega  利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 長友佑都が帰ってきた! というより、もう出て行かないと言ったほうが正しいか。今、長友はインテルのピッチで居場所を取り戻しつつある。

 ロベルト・マンチーニ監督はこれまでもずっと長友を人間として、プロとしてリスペクトしてきた。しかし今シーズンになってからは、彼は長友ではない選手を選んできた。右SBにはサントン、左SBにはフアン・ヘススかテレス。だが先週、1週間で3試合をこなしたインテルで、長友はポジションを取り戻した。

ローマ戦に先発フル出場、勝利に貢献した長友佑都(photo by Getty Images)ローマ戦に先発フル出場、勝利に貢献した長友佑都(photo by Getty Images) しかもこれは決して偶然でも、やむなくの起用でもない。今のインテルのDFに怪我人や出場停止の選手はおらず、マンチーニは全ての選手を自由に使える状態だった。その中から彼が長友を選んだのは、長友がパレルモやローマのウィングと対峙するにあたって、きちんとした仕事をしてくれると判断したからだ。彼の豊富な運動量とスピードがこれらの試合には必要だったのだ。

 8月30日のカルピ戦で10分間プレーして以来、長友はずっとベンチ要員だった。転機が訪れたのは10月21日のミランとの親善試合、ベルルスコーニ杯だ。確かにこの試合では単なるターンオーバーのための起用だったかもしれない。しかしこの試合での長友のパフォーマンスを見たあと、マンチーニはパレルモ戦でスタメンに抜擢。そして続くインテルにとって重要な一戦、対ローマ戦でもキックオフからプレーをさせた。

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