岡崎慎司がプレミアで生き残るためのヒントは「パク・チソン」

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

「これから苦労するんだろうな......と、イメージしてイングランドに来た。だから、想像していたとおりです。日本代表だから、期待されているところもあると思います。でも、今の状況のせいで日本代表から外れるなら、別に(構わない)と思って来たので」

 試合後、岡崎慎司は落ち着いた様子で淡々と話した。

WBA戦で岡崎慎司は後半43分まで出番がなかったWBA戦で岡崎慎司は後半43分まで出番がなかった 10月31日に行なわれたウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン(WBA)とのプレミアリーグ第11節で、レスター・シティの岡崎慎司に出番が訪れたのは、3−2のリードで迎えた88分だった。チームはこのまま逃げ切りに成功したが、5分間のアディショナルタイムを入れても、わずか7分間で出番を終えた。同じくベンチスタートだった前節のクリスタル・パレス戦でも、出場時間は約30分のみ。開幕当初は2トップの一角として定位置を掴んだ岡崎だが、風向きはゆっくり向かい風へと変わり始めている。

 しかし、2試合連続となるベンチスタートを命じられても、不思議と焦燥感はない。8月15日の第2節・ウェストハム戦からゴールは遠のいているものの、「そんなに甘いもんじゃないのは、もともとわかっていた」とも言う。そう思える理由は、いったいどこにあるのか――。

 原点は、チームとしても、岡崎個人としても、インパクトを残せなかったブラジルW杯にある。日本代表は2敗1分で惨敗。グループリーグ第3戦のコロンビア戦で1ゴールを挙げたとはいえ、岡崎には悔しさしか残らなかった。「W杯のような真剣勝負の場になると、『結局、結果を出せないな......』と思うときがある」「自分が気持ち良くサッカーできる場はW杯にはなかった。そういうときにどうしたらいいのか」。ブラジルW杯以降、岡崎は自問自答を繰り返すようになったという。

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