コロンビアが陥った、名将ペケルマン2期目の罠

  • 三村高之●文 text by Mimura Takayuki photo by Getty Images

6月特集 ブラジルW杯から1年 ~日本代表と世界はどう変わったのか?~(13)

 ブラジルW杯では日本との力の差を見せつけ、ベスト8に進出したコロンビア。1年後、開催中のコパ・アメリカではグループリーグ初戦で格下のベネズエラに0-1で敗れ、第2戦ではW杯準々決勝で敗れたブラジルを1-0で破っている。

 この好不調の波は、ペケルマン監督にとって初めてとなる"2期目の采配"によるものなのかもしれない。世界王者に3度輝いたアルゼンチンユース監督時代は長期政権だったが、年代別のチームのため選手が次々と入れ替わった。

ペケルマン監督と握手をかわすコロンビアのエース、ファルカオペケルマン監督と握手をかわすコロンビアのエース、ファルカオ 2012年からコロンビアを指揮するペケルマンは、チームの中にひとり、核となる選手を作り、他の選手は核の選手にボールを集めたり、核の選手がやりやすいようにプレイするという手法を用いる。全員が集まって行なう練習が少ない代表では、このルールを徹底することで、各選手がやるべきことを明確に理解できるという考えからだ。

 ブラジルW杯予選ではファルカオ(現マンチェスター・ユナイテッド)を核とし、周囲の選手は彼にボールを触らせること、シュートを打たせることを最優先に考えてプレイした。そしてファルカオが負傷欠場となったW杯本大会では、ハメス・ロドリゲス(現レアル・マドリード)が核となって成功した。しかし、コパ・アメリカではファルカオとロドリゲスが揃い踏み。どちらを核にするのか。

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