イケメンスイマーの中身は超骨太。中村克「東京で歴史を変えてやる」 (7ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO


 中村は決して「今までの選手を否定するわけではない」と前置きしたうえで、持論を語った。

「僕が高校生くらいまでは、『短距離自由形は世界で戦えない』という認識が日本の水泳界にはあった。どこかで自由形は無理なのかなと思っている風潮はありました。

 でも、僕は水泳を始めたのが遅かったこともあって、そういう感覚はなかったし、そんなことはどうでもよかった。ただ、自分は速く泳ぎたいだけ。誰かが無理だと言っても関係ない。

 固定観念に縛られなかったから、ここまで来られていると自負しています。自分を信じて完璧な準備ができれば、メダルを獲れると思っています」

 爽やかな見た目とは対照的に、その中身は骨太である。

 揺るぎない信念を持ち、目的を達成するために、いかなる努力も惜しまない。いいものがあれば積極的に取り入れ、新たな潮流を察知する先見性も備える。

 そしてなにより、このイケメンスイマーには「歴史を変えてやる」という並々ならぬ覚悟がみなぎっている。

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