2020.06.17

イケメンスイマーの中身は超骨太。
中村克「東京で歴史を変えてやる」

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

「正直、これくらいは出るよな、という感覚でした」

 中村克(かつみ/イトマン東進所属)は端正なマスクを崩すことなく、淡々とそう話した。

短距離自由形で世界を相手に戦う中村克「これくらい」とは、47秒87のタイムを指す。

 2018年2月に行なわれたコナミオープンで、中村は自らの持つ100メートル自由形の日本記録を更新した。これは、リオ五輪の銅メダルにも匹敵するタイムである。

「それくらい出せる力がついていると感じていたので。その前のトレーニングも充実していて、記録は出るなと。むしろ、これだけやってきたのだから、出ないわけがない。記録を出せる確信はありました」

 中村にとって、準備がすべてである。

 本番から逆算し、それまでに何をするべきかを徹底的に掘り下げていく。求めるのは量ではなく、精度だ。自己記録が出る時はほとんどの場合、質の高いトレーニングができた時に限られるという。

 初めて出場した4年前のリオ五輪も「47秒台で泳ぐ」という目標を掲げ、大舞台で見事に実現した。日本人初の47秒台を記録した背景には、確かな準備があったからに他ならない。