来夏の五輪開催があれば、あの競技は「チケットなし」で見られるか? (3ページ目)

  • 門脇 正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori
  • 門脇 そら●撮影 photo by Kadowaki Sora


 また、マラソンスイミングの距離は男女ともに10キロメートルなのだが、この日は男女ともに本番の半分の5キロメートルで実施。

 さらに、5キロメートルを泳ぎ切ることなく、コースを確認できたら海からあがる選手もいて、テストイベントは、ガチなレースというよりも、東京オリンピック本番を見すえた試泳的な意味合いが強くなっていた。

 とはいえ、東京オリンピック本番と同じ競技会場で泳げるのは、選手たちにとってはまたとないチャンスであるのも事実。

 お台場海浜公園の海上を周回するコース取りを示す巨大ブイ(フロート)を、いかにスピードを落とさずに最短距離でまわり切れるか。その最適なポジションを確認しながら、最後はゴールとなるタッチ板を力強く叩いて、選手たちが海岸に上がってくる。

 そんな選手たちの真剣なまなざしは、すでにオリンピック本番のレースに向けられているようだった。

五輪開催時のコース予想図。スタンド以外からも見えそうだ五輪開催時のコース予想図。スタンド以外からも見えそうだ
 ところで、東京五輪でのマラソンスイミングの観戦チケットは、A席が5500円、B席が3500円になる。

 このうち、フジテレビの本社ビルなどが建ち並ぶ、お台場のエンターテインメント・ショッピングスペース側のメインの海岸がA席になる。ここには自由席のスタンドがつくられ、観客はスタートやゴールの瞬間を観ることができる。

 一方、B席はそのメインの海岸と直角に位置する海岸沿いの砂浜。ここに設けられたエリアからの立ち見での観戦になる。A席に比べると、スタートとゴールはあまりよくは見えないものの、ビーチ前の海上を泳ぐ選手たちのダイナミックな動きは十分堪能できる。

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