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【箱根駅伝2026】早大駅伝主将・山口智規が抱く学生最後の三大駅伝への思い「優勝を獲りにいきたい」 (3ページ目)

  • 和田悟志●取材・文 text by Wada Satoshi

【区間賞を取って、3つ優勝したい】

――山口選手の駅伝シーズンへの意気込みはいかがでしょうか。

「テーマとしては、今の4年生は"佐藤・黒田世代"(駒澤大の佐藤圭汰と青山学院大の黒田朝日)と言われますが、そこに山口も入れようって思うんですけど......(笑)」

――今季の活躍を考えれば、入っていてもおかしくはない。

「どうなんですかね。入れるべきだと思いますけど(笑)。3つの駅伝で、区間記録とまでは言わないですけど、区間賞を取って、3つ優勝したいですね」

――まずは初戦の出雲駅伝から狙っていく。

「合宿中は"出雲、勝ちたいね"ぐらいだったんですけど、上の選手(の調子)が上がってきて"これはあるんじゃないかな"と思うようになりました。それでも、中間層がなかなか出てこなかったので...。それが、The Road of WASEDAも良かったですし、夏を越えて"出雲はいける"っていう雰囲気になってきたかな。(優勝への)手応えはあります」

――山口選手は、出雲で想定している区間はありますか。

「わからないですね。(花田勝彦駅伝監督からは)『何区でも行ける準備をしといて』って言われていますが。1区かアンカーがいいですけど」

――昨年は1区で区間12位でした。以前は「1区はあまり得意ではない」と話していましたが。

「あれだけトラックを走っておけば、大丈夫です!(駅伝の1区よりも)1500mのほうがきついっすよ、駆け引きは」

――層は厚くないとおっしゃっていましたが、核となる選手が複数名いるだけに、確かに出雲はチャンスがありそうですね。

「チャンスがあるのは出雲かもしれないですけど、やっぱり狙っているのは箱根なので」

――箱根駅伝では、過去2回は2区を走っています。今季は山口竣平選手も2区に意欲を示している一方で、ご自身も「準備はしている」と話していました。2区への思いは。

「こだわりはないです。でも仮に2区を任されるとしたら、なかなか大変な役割ですし、かなりレベルも上がっています。そこは責任を持って走らないといけないとは思っています」

――3区に推す声も多いように思います。

「3区って言われますけどね。そんなに下りが得意なわけではないんです」

――ほかに走りたい区間はありますか。

「復路を走りたいです。僕は7区か9区あたりがちょうどいいんじゃないですかね」

――今季の前半戦の活躍で、見られ方も変わったのではないでしょうか。マークされる選手になったというか。

「どうなんですかね。(5000m)13分16秒も、(1500m)3分38秒も日本選手権2位も、自分のなかで特別価値があるものだと思っていません。竹澤さん(健介、2008年北京五輪日本代表)の5000mの早稲田記録を更新することができて、ほっとした部分はありましたが、すごい記録を出したとは全然思っていません。駅伝では、今年は『黒田君に勝ちたいな』と思っています」

――黒田選手の名前が上がりましたが、他大学はどの程度意識していますか。

「あんまり意識はしません。どの大学も強いとは思いますけど、今年の早稲田も強いんじゃないかな。僕だけじゃなくて、(鈴木)琉胤や(工藤)慎作も、他大学の選手に負けるイメージがないですし。竣平も、つなぎ区間に回ったら負けるわけがない。ほかの大学がどうこうというよりも、(優勝するには)自分たちの役割、自分たちの走りをすることのほうが大事なのかなと思っています」

――順調そうですね。

「チームは順調だと思いますよ。久しぶりの優勝をみんなで獲りにいきたいと思います」

著者プロフィール

  • 和田悟志

    和田悟志 (わだ・さとし)

    1980年生まれ、福島県出身。大学在学中から箱根駅伝のテレビ中継に選手情報というポジションで携わる。その後、出版社勤務を経てフリーランスに。陸上競技やDoスポーツとしてのランニングを中心に取材・執筆をしている。

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