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「跳んでる高校2年生」清水空跳が叩き出した100m10秒00の衝撃 元走高跳選手の父からは「『跳躍種目をやってほしい』と言われていましたが...」

  • 酒井政人●取材・文 text by Sakai Masato

100m10秒00の走りでその名を歴史に刻んだ高2の16歳・清水空跳(写真は7月の日本選手権) photo by AFLO100m10秒00の走りでその名を歴史に刻んだ高2の16歳・清水空跳(写真は7月の日本選手権) photo by AFLO

ホットスタッフフィールド広島を舞台に行なわれているインターハイ(全国高校総体)陸上競技。大会3日目(7月26日)の男子100mで、清水空跳(そらと/石川・星稜2年)が衝撃の10秒00をマーク。その記録は高校世代や年齢別の新記録のみならず、U18世界記録、そして9月に行なわれる東京世界陸上選手権参加標準記録を同タイムでクリアするものでもあった。

一躍その名を全国、そして世界に轟かせた2009年2月生まれの清水空跳とは−−。

【成長株の勢いはさらに加速して】

 U18世界記録保持者となった清水空跳が東京世界陸上の参加標準記録(10秒00)をクリア。日本代表への可能性も出てきた。

 12年前の4月に17歳の少年が「10.01」を刻んだスタジアム。2025年の夏、16歳のサラブレッドは空を駆けたのか──。それくらいインターハイ男子100m決勝の清水は速かった。

 2年前の全中で200m王者となった清水は、昨年7月にサニブラウン・アブデル・ハキーム(現・東レ)が持っていた男子100mの高校1年最高記録(10秒45)を10秒26(風速+1.9 *以下同)に更新し、夏のインターハイは1年生ながら2位に食い込んでいる。

 今季は4月のU18アジア選手権を10秒38(+2.3/追い風参考)で制すと、5月の石川県大会で高校歴代4位の10秒20(+1.4)をマーク。7月上旬の日本選手権は0.01秒差で決勝進出を逃したが、予選でU18日本記録タイとなる10秒19(+0.8)を叩き出している。

 今年のインターハイは「暑さ対策」のために急遽、3ラウンド制(予選・準決勝・決勝)から2ラウンド制(予選・決勝)に変更となったが、例年と異なる競技方式が好記録を生むことになる。

 決勝は複数組に分かれてレースを行ない、そのタイムの比較で順位を決めるタイムレース形式。1組で菅野翔唯(群馬・東農大二2年)が追い風参考ながら10秒06(+2.4)をマーク。同学年の好敵手が想定以上のタイムで走ったことで、清水のハートに火がついた。

「当初は自己ベスト(10秒19)の更新が目標でしたが、菅野君に『負けたくない』という気持ちが一番でした。かと言って力んだりするのはよくないので、『自分のレースを絶対に作ろう』『9秒台を出すんだ』という気持ちで決勝に臨みました」

 清水は3組で最速となる0.135秒のリアクションタイムで飛び出すと、「40mまでは完璧でした」と得意な二次加速で後続を引き離していく。そして圧巻のスピードで100mを駆け抜けた。

「しっかり乗り込んで、力強く(身体の)中心部分を使って走れました。終盤はちょっと脚が流れる感じがあったんですけど、うまくまとめられたかなと思います」

 電光掲示板に表示された速報タイムは「10.00」。清水は両手を突き上げて喜びを爆発させた。

「本当にうれしかったですね。まずはインハイに勝つのが目標だったので、仮に公認でなくても10秒06以上のタイムを出せてよかったです」

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