「跳んでる高校2年生」清水空跳が叩き出した100m10秒00の衝撃 元走高跳選手の父からは「『跳躍種目をやってほしい』と言われていましたが...」 (3ページ目)
【陸上一家で育ったスプリンターの歩み】
16歳の彼は、ここまでどのように成長してきたのか。
走高跳の国体入賞者である父から「自分の脚で空を跳ぶ」という意味合いで空跳(そらと)と名付けられた清水。母は100mハードルの元国体選手で、姉は大学時代に400mハードルで日本インカレに出場している。そんな陸上一家で育った清水は小学4年生から地元のクラブチームで競技を始めた。
「中学1年からスプリントをやっていますが、父親からは、『跳躍種目をやってほしい』と言われていました。昨年、走幅跳に出たんですけど、難しいですね。自分は100mと200mで勝負していきたいです」
身長が180cm近くある父親に対して、清水は164cm。走高跳の才能を引き継ぐことはできなかったが、両親から授かった天賦の才をスプリント種目で発揮している。
昨季は下半身に頼るような走りだったこともあり、両ハムストリング(太もも裏の筋肉)の肉離れを1回ずつ経験した。そのため今季は「肋骨や肩甲骨の動きを出せるように」とドリルなどで上半身の動きを意識。その結果、「ケガのリスクが減った」だけでなく、上半身と下半身がうまく連動するようになり、滑らかでダイナミックな走りにつながった。
なお今回のインターハイは100mだけでなく、200mでも優勝候補に挙がる。
「100mでタイムを出すことができたので、200mは高校新とは言いませんけど、大会記録は更新したいなと思っています」
男子200mの予選は7月28日(月)の10時35分、決勝は同日の15時50分に行なわれる。大会記録は20秒61(若菜敬/栃木・佐野)、U18日本記録と高校記録は20秒34(サニブラウン)。20秒79の自己ベストを持つ清水空跳はどこまでタイムを伸ばすのか。
100m"9秒台"の前に、まずは200mの走りに注目したい。
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