【大学駅伝】東洋大が18年ぶりに伊勢路を逃す 酒井監督が語る敗因と「新しい東洋をもう1回作り直す」決意 (2ページ目)
【他校との自力の差が結果に】
主将として芳しくないチーム状況のなか、奮闘した網本 photo by Wada Satoshi
近年、東洋大が選考会に回った2022年と昨年は、いずれの年も、春から好調だった。
2022年は関東インカレで3000m障害を除き1500mからハーフマラソンまでの長距離種目で入賞者を出し、翌月の全日本選考会は2位通過を果たした。
そして昨年も関東インカレでは長距離3種目(5000m、10000m、ハーフマラソン)できっちり入賞し、勢いそのままに全日本選考会に臨んだ。トップ通過こそ逃したものの、1組〜3組まで3レース連続で東洋大の選手が組1着を取るという圧巻のレース運びで存在感が光った。
今季は、4月の日本学生個人で松井海斗(2年)が5000mで優勝。5月の関東インカレでは1500mで馬場アンジェロ光(2年)が7位、田中純(3年)が8位、ハーフマラソンで久保田琉月(3年)が4位、3000m障害で小川隼登(2年)が7位と多種目で入賞者を出した。一方で、取りこぼしもあり、全日本選考会に向けて不安は残った。
加えて、箱根駅伝で10区区間賞、4区3位の実績をもつ岸本遼太郎(4年)が足の裏に感染性のいぼができ、エントリーできず。箱根駅伝5区を走った宮崎優(2年)も股関節に痛みがあり、エントリー外だった。
ベストメンバーで挑めず、全日本選考会のエントリータイム(10000mの上位8人の合計タイム)は11番目。参考タイムに過ぎないが、ボーダーラインの7番目には1分以上の差があった。
それゆえ、東洋大の前評判は決して高くなかった。
「本当に危機感しかなかった。通るか通らないか、わからないなか、もしかしたら落ちるかもしれないという思いはみんなが持っていた」
主将の網本佳悟(4年)が言うように、東洋大の選手たちも不安を抱えながら選考会に臨んだ。
それでも17年連続で本選出場を果たしている名門だけに、なんとか踏みとどまるだろうと多くの人が思っていたのではないだろうか。
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