箱根駅伝2025 東洋大ルーキー・迎暖人は陸上歴3年で「鉄紺」のAチーム入り 父は酒井俊幸監督と同級生 (2ページ目)
【陸上歴3年で三大駅伝の舞台に】
一方、3人とは対照的なのが迎だ。
拓大一高(東京)時代は全国区での目立った活躍がなく、今季の関東インカレも早々に鉄紺のユニフォームに袖を通した同期の活躍を見守るしかなかった。
それでも、春からAチームで過ごし、めきめきと力をつけてきた。
「彼らの背中を追いかけないといけないですし、この3人だけじゃないんだぞっていうところを見せたい」
入学直後にはこんなことを口にしていたが、出雲駅伝では宮崎と共に、ルーキーのなかで真っ先に学生三大駅伝の出走メンバーの座を掴んだ。
「試合にたくさん出させていただいて、そのなかでも出雲駅伝はすごくいい経験になりました。ほかの3人と違って(鉄紺の公式)ユニフォームを着たことがなかったのですが、初めて着てみて、ユニフォームを着ることでしかわからない緊張感であったり、プレッシャー、周囲の期待だとかをものすごく感じました。
応援してくださる方々のために頑張ろうって思ったので、それを箱根につなげて、しっかりチームに貢献していきたいと思います」
出雲は4区10位と少しほろ苦い駅伝デビューになり、続く全日本は不出場だった。それでも、箱根駅伝には1年目から同期の3人と共にしっかりと16人のエントリーメンバー入りを果たした。
「3人にはまだまだ追いついていない」と迎は謙遜するが、先を走っていた同期たちの背中はすぐ目の前にある。
迎の父・忠一(ただかつ)さんは、元・実業団ランナーで、現在はJR東日本でコーチを務めている。東洋大の酒井俊幸監督とは、学法石川高とコニカミノルタでチームメイトだった。また、コニカミノルタ(当時はコニカ)ではニューイヤー駅伝で初優勝を含む2度の優勝に貢献している。
父の1万mのベストは28分08秒45で、ハーフマラソンも1時間02分14秒で走っている。同じ競技に取り組んでいるからこそ、父のすごさにも気づくことができた。
「自分はまだまだ父のベストには届かない。厚底シューズもない時代だったのに、自分以上のタイムを持っているので本当にすごいなと、常々感じています」
そんな父親に憧れて陸上の道に進んだのかと思いきや、「父親と一緒なのがちょっと嫌だったので......」と、中学時代はバスケットボール部に所属していた。
陸上を始めたのは高校から。つまり、陸上歴3年で、東洋大のAチーム入りを果たすのだから、やはりポテンシャルは高い。
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